アメリカの探偵事情とは|探偵コラム

 アメリカでは多方面の調査に探偵が関係しており、特に警察業務である犯罪の調査にまでわたっているのは、警察制度の歴史が大きく影を落としていると考えられます。

アメリカの統治機構の特徴である地方分権が、警察の「中立公平」に少なからず影響を与えていたからです。
即ち、中央集権でなく市町村単位で警察が組織、運営されている場合、特定の政党、人種、宗教団体等が、それぞれ自治体の権力を握ると警察の「中立公平」が危うくなり、警察自体が特定団体・組織の利益に奉仕する私兵化してしまうのです。

従って、この歴史的体験から警察は各人の権利、財産を公平に擁護してくれるとは限らないとの観念が生じ、自分の権利は自分で守る「自衛手段」が発生することになりました。
上記の歴史的流れにより、私的警察たる私立探偵、ボディーガード等の業務が発展してきたようです。

20代の探偵修行時代に渡米、アメリカニューヨーク「HOLMES探偵事務所」にて

 探偵発生の歴史的発展を踏まえて、アメリカにおける探偵の意味を観察して見ると、探偵とは、一般市民にとって「ハードボイルド」な一面を備えた「権利の擁護者」「正義の実現者」たるヒーローとしての色彩を帯びていると言えるのではないでしょうか。

事実、この土壌が生み、育んだであろうペーパーバックの探偵小説に登場する主人公たちは、剛直で仮借なきまでの探究心で正義の実現に向かって邁進するように描かれています。
しかし、現代のアメリカにおける探偵は、現代の先進国の探偵と同じく、法治国家を前提とした活動を要求されており、「腕力」ではなく「知力」による正義の実現が重要視されています。従って、種々の法令に精通し会計経理に詳しく、あらゆるデーターベース、情報源へ容易にアクセス出来る能力を有することが現代の探偵として不可欠となっているのです。

 勿論、調査、捜査における「カン」であったり、状況判断力等といった、数量化・計量化出来ない探偵としての原始的能力が当然備わっていることが前提となるのは言うまでもありません。


アメリカの探偵の依頼先・取引先について

 アメリカでは、探偵のことを「private eye=プライベート・アイ」または、「private detective=プライベート・ディテクティブ」と呼称し、その活動範囲は日本と異なり広範囲に渡ります。

主なものとして、法律事務所・銀行・保険会社・一般企業があり、これ等が、独自で探偵社と顧問委託契約を締結して、権利の防衛・業務の補助に活用しているのです。

探偵が、各職場でどのような業務をしているかについて説明してみましょう。

 アメリカにおける権利意識、特にプライバシー保護に関する要請から探偵の調査活動に一定の規制を設けるべくライセンス制度を採用している州があります。

アメリカの探偵業務の調査領域について

 アメリカにおける調査業の領域は下記の通りです。

専門領域に大きく踏み込み、多くの米企業を顧客として対応しています。

 

 尚、アメリカにおいては各州が私立探偵・私的調査員に対する条例や免許制度に関しての管理を実施しています。  
その管理状況は各州によって、大きく異なっています。