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逃げ道を探した果てに|社会人の息子の失踪・行方調査【探偵 福岡】

依頼者は、福岡市内に住む50代後半の吉田夫妻(仮名)。表向きは落ち着いた佇まいを見せていたが、長年抱える悩みは息子のことだった。高校を卒業した息子は、職場を転々とし、どこも長続きしない。
いつも人間関係がネックだった。
両親は、そんな息子に何とか安定した職場を見つけてやりたいと考え、最終的に辿り着いたのは農業だった。誰とも顔を合わせず、黙々と仕事に打ち込める環境が彼に合っているだろうという親心だ。

息子本人もそれに同意した。そして朝倉市の佐々木農園に就職。果物の栽培を中心とした多角経営の農園は、それなりに有名だった。
息子は、農園が借りている賃貸アパート型の寮に入居し、単調ながらも静かな生活を始めた。問題は、周囲には見えていなかった。両親も、ようやくこれで息子も落ち着くかと思っていたのだろう。
だが、人生はいつもそんなに甘くはない。

2年が経ったある日、息子が突然姿を消した。まるで薄霧の中に溶け込んだかのように。農園の経営者や同僚たちに尋ねても、彼が悩んでいる様子や逃げ出す兆候は見られなかったという。

しかし、吉田夫妻は違った。両親の直感というのは侮れないもので、息子が農業生活に耐え切れず、どこかへ逃げ出したのではないかという不安が頭をよぎった。

失踪した息子は、黒色の軽バンをレンタカーで借りていた。その車が返却予定日を過ぎても戻ってこない。両親がその事実を知ったのは、レンタカー会社からの電話がかかってきた4日目の夜だった。
その電話を受けた瞬間、吉田夫妻は感じた。
「これはもう自分たちだけでは無理だ」と。絶望感が彼らを包み込み、夫妻は探偵事務所への依頼を決意した。

探偵事務所にとって、行方不明者の捜索は日常茶飯事だ。だが、この案件にはどこか一筋縄ではいかない気配が漂っていた。息子には友人も少なく、取材を試みても、彼を知る者は皆一様に首をかしげた。「あの子が悩んでいるなんて考えられませんよ」と。手がかりは霧の中に消えたかのように薄れていく。

だが、探偵の目は鋭い。失踪から8日目、ついにわずかな光が射し込んだ。
息子がコンビニのATMで現金を引き出したという情報が入ったのだ。その店舗は筑紫野市の郊外に位置しており、探偵はすぐに現地へ足を運び、周辺を徹底的に調査した。頭の中で地図を描きながら、息子が辿ったであろうルートを追う。焦る気持ちを押さえつけながら、一つ一つの手がかりを慎重に精査していくのだ。

そして夜、静まり返ったコンビニの駐車場で、その姿をついに見つけた。息子は、黒色の軽バンの中で眠りに落ちていた。
疲労が顔に刻まれ、窓ガラスの向こうに映るその姿は、まるで脅え逃げる小動物のように丸まって見えた。
探偵はその場で吉田夫妻に連絡を入れ、軽バンをいつでも追跡できる体制を講じた。
夫妻は深夜にもかかわらず現場に駆けつけた。駐車場の冷たい風の中で、夫妻が息子を見つめる目には、涙と安堵が混ざり合っていた。

そして夜、静まり返ったコンビニの駐車場で、その姿をついに見つけた。息子は、黒色の軽バンの中で眠りに落ちていた。
疲労が顔に刻まれ、窓ガラスの向こうに映るその姿は、まるで脅え逃げる小動物のように丸まって見えた。
探偵はその場で吉田夫妻に連絡を入れ、軽バンをいつでも追跡できる体制を講じた。
夫妻は深夜にもかかわらず現場に駆けつけた。駐車場の冷たい風の中で、夫妻が息子を見つめる目には、涙と安堵が混ざり合っていた。

その後、息子を連れ帰る道中、彼はぽつりぽつりと口を開いた。失踪していた間、彼は朝倉市を出発し、筑紫野市や太宰府市の大きな公園の駐車場、那珂川市の南畑ダム付近、大分県の日田市や久留米市の筑後川の河川沿い、さらには大野城市、春日市の県道31号線(なぜか福岡では5号線と呼ばれている。)・福岡筑紫野線沿いの大型スーパーの立体駐車場といった場所を転々としていたという。
夜は車の中で寝泊まりし、飲み物は自販機で、食事はスーパーで値引きされた惣菜やファーストフードで済ませた。どこにも行く場所がない孤独感が、彼をコンビニの駐車場に引き寄せたのだ。「暗い場所は怖くて、どうしても人がいる場所を選んでしまった」と彼は言った。

吉田夫妻は、その姿に息子の弱さと、どこか人間臭い一面を垣間見た気がした。失踪の理由は未だ明らかにされていないが、息子は確かに帰ってきた。そして、探偵の仕事はここで終わった。探し出しただけで全てが解決するわけではない。だが、一歩を踏み出すには十分だった。息子はこれから再び歩み始めるだろう。たとえ道が険しくとも。

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