元カレとの再会がもたらした裏切りの足音：妻の浮気調査事例｜探偵 福岡

秋風が冷たく吹き始めた八女市、矢口徹（仮名・32歳）は、静かな生活の中で次第に違和感を抱くようになった。
そんな季節の移ろいとともに、徹は妻・麻里子（仮名・30歳）との間に隙間ができていくのを感じていた。徹と麻里子の夫婦関係は、表向きには平穏に見えた。しかし、徹は妻が何かを隠していることに気付き始め、心の中に小さな不安が芽生えていた。その不安は、やがて疑念へと変わり、彼の胸を徐々に締め付けていった。

妻・麻里子の微妙な変化

最初に違和感を覚えたのは、麻里子が突然、スマホを手放さなくなったときだった。それまではリビングのテーブルに無造作に置いていたスマホを、ある日を境に常にポケットやバッグにしまうようになったのだ。さらに、徹が近づくとスマホの画面をすぐに消し、ロックをかけるようになった。その動作が無意識なのか、それとも何かを隠そうとしているのか、徹には分からなかったが、妻の行動がどこかぎこちなく感じられたのは確かだった。

外出の頻度が増え、帰宅時間が遅くなる

そのうち、麻里子の外出が急激に増え始めた。以前は、平日に家にいることが多かった麻里子が、最近では「友達とランチに行ってくる」「ちょっと買い物してくる」と言って出かけるようになった。最初は何も不審に思わなかった徹も、回数が増えるにつれ、その理由が何か違うのではないかと疑念を抱き始めた。

ある日、麻里子は「ちょっと出かけるね」と告げて出て行った。徹はその時、麻里子が外出するために選んだ服装を目にして驚いた。タイトなスカートに、鮮やかなブラウス。そして、髪もいつもより丁寧に整えられており、香水も以前より強く香っていた。八女市のような田舎町では、そんな派手な服装はあまり見られない。徹は思わず「誰かと会うの？」と尋ねたが、麻里子は「ただの友達よ」と笑顔で返した。

だが、その笑顔にどこか違和感があったのだ。彼女の表情は、明らかにいつもと違っていた。

行動の変化：時間のズレと曖昧な説明

外出だけでなく、麻里子の行動にもズレが生じ始めた。例えば、徹が帰宅すると、麻里子がすでに家にいるはずの時間なのに、どこかに出かけていることが何度かあった。仕事で疲れて帰宅した徹が、家で一人きりの時間を過ごすことが増え、麻里子に電話をかけても「今ちょうど友達と会ってる」と答えることが増えていった。

帰宅時間も次第に遅くなり、夜遅くに帰ってくることも多くなった。徹が「どこで何してたんだ？」と尋ねると、「ただ友達と話してた」「少し遅くなっちゃった」と、曖昧な説明ばかりで具体的な話は出てこなかった。徹はその説明を信じたいと思いながらも、心の奥底では信じられない自分がいた。麻里子の説明には、一貫性がなく、話す内容がいつもどこかぼんやりとしていたからだ。

浮気の兆候が現れる瞬間：決定的な瞬間

徹の頭に浮かんだのは、麻里子の過去の恋人、大栗旬（仮名・30歳）の顔だった。彼らが高校時代、かつて筑後市の実家にんでいた時代、交際していたことは知っていたが、まさか再びその関係が始まっているとは、徹は想像もしていなかった。

探偵の調査と真実の発覚：ラブホテルでの密会

徹は、この不安と疑念を一刻も早く払拭するため、探偵事務所に足を運んだ。探偵のオフィスは、久留米市六ツ門の「日吉町」交差点の角にあった。徹は、静かに探偵に今までの状況を語った。探偵は深く頷き、詳細にメモを取る姿が印象的だった。プロの目は、徹の話を冷静に受け止め、事実に基づいた解決策を考えているようだった。

「矢口さん、まずは奥さんの日々の行動をしっかり追いかけて、どんな相手と会っているのか、そして何をしているのかを確認しましょう。私たちが証拠を確保して、ご報告します。」

徹はその言葉に重みを感じた。そして、探偵の手によって麻里子の行動が細かく調べられることとなった。

徹の帰宅と話し合いの始まり

探偵からの報告書を手にした徹は、頭の中が真っ白になった。それまでの疑念が一気に現実となり、目の前に突きつけられた事実をどう受け止めればいいのか、彼には分からなかった。帰宅した徹は、冷静を装いながらも、胸の内では大きな波が押し寄せていた。

家に戻ると、麻里子はキッチンで夕食の準備をしていた。徹は静かにリビングに座り、言葉を選びながら切り出した。

「麻里子、話があるんだ。」

麻里子は、何かを感じ取ったのか、手を止めて徹の方を振り向いた。彼女の顔には、いつも通りの穏やかな表情が浮かんでいたが、徹はその裏に何かを隠していると確信していた。

「君が最近、何をしているのか、どこに行っているのか、全部知っているよ。」

徹の言葉が静かに部屋に響くと、麻里子の顔色が急に変わった。彼女はその場に立ち尽くし、目を伏せたまま何も言えなかった。沈黙が続く中、徹は探偵の報告書をテーブルに置いた。

「これを見てくれ。君が元カレと会っている証拠だ。僕はずっと信じていたけど、これを見てしまったら、もう何も言い逃れできないだろう？」

麻里子は、ゆっくりと報告書に目を落とし、その手が震えているのが見えた。彼女は唇を噛みしめ、涙を浮かべながら、小さく声を震わせて言った。「ごめんなさい……。」と小さな言葉が聞こえたが、その言葉が反省の言葉か別れを予見しているのかは、その場で読み取る事が出来なかったと言う。

復縁への道と徹の苦悩

徹はそう言いながら、自分自身に言い聞かせるように麻里子に伝えた。復縁への道は険しく、二人にとって試練の連続であることが明らかだった。徹は、過去の出来事を何度も思い返し、その度に心の中で葛藤し続けた。

最後の決断：元カレを訴える

徹は、終わりのない感情の闘いに終止符を打つため、元カレ・大栗旬を訴える決断を下した。暴力で解決できる時代ではない。公の場で決着をつけ、それを自分自身の心の区切りとするためだった。徹は、弁護士を通じて戦う事を選んだ。

決着は早々に着いた。当事者が不貞関係を認めている事もあり、相手方弁護士も争っても仕方が無いと大栗に話した感があり、反省の印象は感じられなかったが、和解金の提示もあり、探偵の調査費用も含め支払い求め、決着は長引く事も無く、結末を迎えた。

訴訟後の徹の心境：戦いの終わりと心の整理

弁護士同士の遣り取りが進行する中、徹は何度も自問自答した。この行動が本当に自分の心に平和をもたらすのか。結果的に大栗は社会的な制裁を受けたが、徹の心にはまだ苦しみが残っていた。元カレを訴えるという選択肢は、徹の人生に一つの決着をつける方法ではあったものの、その過程で彼自身が変わらざるを得なかった。

復縁の道を歩む中で、徹は麻里子を許し、彼女の過ちを過去のものにする努力を続けた。だが、それでも時折心に浮かぶ疑念や不安は、徹の内面を揺さぶり続けた。時間が経てば経つほど、二人は少しずつ関係を再構築するようになっていったものの、徹の心には傷が完全に癒えることはなかった。

それでも、彼はこう結論付けるしかなかった。「過去は変えられない。しかし、未来をどう築くかは、自分たちの手にかかっている」と。

調査事例は数多くの実話に基づくフィクションです。