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信頼を裏切った職員の不正――探偵による証拠収集

信頼を裏切った職員の不正――探偵による証拠収集

佐藤みすずさん(仮名・51歳)は、福岡のある探偵事務所のドアをゆっくりと開けた。彼女の顔には深い悩みの色が見え、声には疲れがにじんでいた。4年前、伯母夫婦が経営する特殊清掃会社を手伝って欲しいと頼まれ、佐藤さんは経理としてその会社に加わった。しかし、入社して間もなく、彼女は経理上の数々の不正に気づき、その不正の裏に一人の男の影が見え隠れしていた。

その男の名前は、高橋丈二(仮名・53歳)。高橋は福岡県大川市に一軒家を構え、妻と子供と共に平穏な家庭を築いていた。社内では「人当たりが良い現場職人」として評判が良く、入社18年という長いキャリアもあって、会社の信頼を一身に集めていた。高齢となった伯父は、将来の社長候補として高橋を見ていたほどだ。しかし、その信頼は根底から崩れ去ることとなった。

その中で特に驚いたのは、高橋が顧客先からの集金を不正に操作していた事実だった。会社の集金用のカバンの中から発見された領収書は、会社の承認を得ずに彼自身が勝手に作成したものであった。これにより、数々の取引先から得たお金が、会社の帳簿に反映されることなく、高橋の手元に流れ込んでいた。伯父夫婦は2年前にこの事実を知りながらも、高橋の「頼れる人物」という信頼から解雇には至らず、その後も彼を雇用し続けた。しかし、佐藤さんはこの決断に強い違和感を覚え、探偵事務所に調査依頼を出すことを決意した。

探偵事務所は「職員の不正 証拠取り」を目的とした詳細な調査プランを立て、高橋の行動を徹底的に追跡することとなった。最初の1週間、高橋の行動に目立った異変は見られず、日常的に取引先を訪れ、仕事をこなしているように見えた。しかし、探偵の目に留まったのは、週末になると必ず変わる彼の行動パターンだった。

土曜日の午後2時、高橋は会社のハイエースに機材を積み込み、自宅を出発。行き先は久留米市の東町一番街にある飲食店街。高橋はアーケード横の駐車場に車を停めたが、その際、社用車のドアに貼られた会社のロゴや電話番号が、70センチほどの白いマグネットで隠されていることを探偵は確認した。あたかも別の会社の車であるかのように見せかけているのだ。

その後、高橋は駐車場から工具箱を取り出し、近くの飲食店へと向かい、特殊作業を開始した。探偵はその現場を遠くから見つめつつ、カメラで不正行為の証拠を押さえた。高橋は約2時間の作業を終えると、伯父夫婦の会社のライバル企業である別の会社に出向き、報酬を受け取っていた。この一連の行動は、明らかに会社の資産や設備を不正に利用し、個人的な利益を得るために行われていた。

「これが不正の現場だ…」と探偵は呟きながら、決定的な証拠を収めたカメラを慎重にしまい込んだ。

探偵の報告を受けた佐藤さんと伯父夫婦は衝撃を受け、すぐに高橋を呼び出し対面することを決意した。高橋は初め、しらを切り通そうとしたが、探偵によって押さえられた証拠写真や動画を前に、ついに不正を認めざるを得なくなった。そして、その場で解雇が決定した。高橋は「自分だけのせいじゃない」「みんなやっている」と不満を漏らしたが、その言葉もむなしく、退職せざるを得なかった。

この一連の出来事の後、佐藤さんと伯父夫婦は、会社の信用を守るため、さらに警察への刑事告訴を真剣に検討している。不正を見逃さず、証拠を押さえるための探偵事務所の協力が、結果的に会社を救うことになったのだ。

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