尾行開始時の面取りの技術

人の特徴は、身長や体型、服装などにも表れますが、本人特定の一番の判断ポイントは顔でしょう。

体型や服装は変わりますが、顔は整形でもしない限り、特徴点を変えようがありません。

尾行・張り込みを伴う調査の中で、浮気調査・素行調査と云った写真による本人確認と特定が必要な場合、探偵・興信所業界内では、これを所謂『面取り』と言い、尾行・追跡開始時の起点となります。

写真があれば簡単じゃないの?と思われるかも知れませんが、実は簡単ではありません。

特定には集中力を要し、人通りの多い場所では複数名の通行人の面取りを瞬時に且つ同時に行うため、ゆっくりと時間は取れません。

通行人の顔を静止画を見るようにストップして検討していては、そのまま歩いてその場から立ち去ってしまう訳ですから、迷い=(イコール)失尾となり、以降は何もできず、時間を取り戻す事は出来ません。

尾行開始時の面取りの技術

また、長時間の面取りは集中力の継続が困難。

徒歩尾行での張り込みの場合、車で待機して待てる環境であれば、カメラのズームで確りと確認等出来るものですが、実際の現場ではそうは行かないもの。

オフィスの出入り口からバスや地下鉄へと急ぐ人の顔。

車から確認していては、通行人と被ってしまい、通行人が重なってしまっては面取りが出来ません。

依頼人が夫や妻などの同居人であれば、当日の服装が分かる等、判別の可能性が高まります。

対象者だと断定しようとする瞬時の判断の中、依頼人の提供情報に集中できるのは有利です。

但し、「紺のスーツ」や「グレーのスーツ」など、よくある服装は余計に難しくしてしまう事もあり、似た人物が通行した場合は、Yシャツの色やネクタイの柄を最終的な本人であるか否かの判断に迷った時の判断材料の1つにします。

写真を以って似通った服装の人物の中から対象者であると素早く判定するのは不安も募ります。

失敗は許されないと思い、確実な判断が出来るよう、寄りで見定めたい。

しかし、寄り過ぎたり、大胆に顔を覗き込めば警戒させてしまい、後の調査がやり難くなったり、最悪の場合、発覚して出来なくなる事もあるでしょう。

その寄らず離れずの絶妙なバランスが重要になって来る。

しかし、もっと重要なのは、下見です。

自宅、・勤務先の建物や出入口の確認に限らず、少し時間をかけて対象者本人の姿を、出勤時など自宅から出て来る際に一度確認しておけば、多くの通行人の中からでも本人をパッと見定める事が可能となります。

写真に頼り過ぎ出入口付近で近寄るよりも、実際の人物を見る事が判別のミスを無くし、追跡の初動を性交させる事とになります。

ちょっとした下準備、建物の位置や通行経路に限らず、本人の実物を事前に確認する手間を怠らない事が、調査の初動を容易にし、更には調査発覚の回避へと通じる事こそ、確実に追跡を成功に導くと共に、調査自体の要所で大胆に動く事が出来る事に繋がるでしょう。

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